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いつもの光景

2月21日(月)

いつものように電車に乗り、出勤すると、彼が復帰していた。
彼は、私を見るなり近付いてきて「前何か渡すのあるって言ってなかったっけ?」と言
われ、「帰りにわたしていい?」と言った。こんなことするべきではないと思うが、仕事
が終わるまでに考えておきたい事があったのだ。もちろんそれは、彼に思いを伝えるか否
かということだ。
前に同僚に相談してからずっと考えていた。だけど、思いを伝えてしまえば自分的には
すっきりするかもしれない。しかし、もし、相手から振られてしまったら、私はどうなる
だろう。彼とは今まで通りというわけにはいかなくなるだろうし、部署が離れてしまえば、
もしかしたら、会うことすらできなくなるかもしれない。そう思ってしまうとなかなか言
えないと思ってしまうのも事実だ。
そんなことを考えながら仕事をしていると、あっという間に時間がすぎ、退勤時刻にな
っていた。さっさと帰る支度をして、駅の改札のほうで彼が来るのを待っていた。彼を待
っている間も少し決断に迷いながらも、考えた。そして、私が出した答えは、今は想いを
伝えるには適していないと考えた。だから、今回は想いは伝えず、ただ、部署を異動する
ことだけを伝えることにした。
彼が駅の改札にやってきた。「待った?渡すものってなんだい?」と聞いてきた。そう
いわれて前から渡そうと思っていたチョコレートを渡した。すると、彼が、「ありがとう。
そういえば、今度部署異動になるんだって?また急だね。」と言ってきたので、そうだね
と答えた。まさか、私が言う前に言われるなんて思っても見なかったから、頭が真っ白に
なってしまった。すると、彼が、「今度、またどこかに一緒に行こうよ。休みの日にでも
さ」と行ってきた。そう言われて、私は頷き、彼と一緒に電車に乗った。
乗っている間も言おうか迷った。だけど、一度決めたことを曲げるわけにもいかず、貫
き通すことにした。それが、吉とでるか、凶とでるか分からないが、もう少し、彼のこと
を知ってから言うのも悪くないと思った。それにすぐに異動するわけでもないわけだし、
まだ時間はある。彼が降りる駅に着き、彼はいつものように笑顔で電車を降りていった。
こんな、いつもの光景を今は大事にしたいと思う今日この頃だった。

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2011年3月31日 | コメント/トラックバック(0) |

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